現役医療相談員(MSW)が仕事内容を解説!

はじめに

私は現在病院で医療相談員(MSW)として働いています。

職場の病院は外来の他に入院病棟もあり約150床(一般病棟+地域包括ケア病棟)有しています。基本的に相談員は何かの資格がなくても仕事をすることができます。しかし、医療相談員の求人を見ると募集要項には社会福祉士の資格が必須になっている病院が多いです。社会福祉士の資格をとり、就職先の候補の1つにもなりうる医療相談員の仕事内容について書いていきます。

社会福祉士ってあまり聞かない言葉だけどどんな仕事をするの?という方へ。

いわゆる「ソーシャルワーカー」と呼ばれる社会福祉専門職の国家資格です。身体的・精神的・経済的なハンディキャップのある人から相談を受け、日常生活がスムーズに営めるように支援を行ったり、困っていることを解決できるように支えたりすることが主な仕事となります。また、他分野の専門職などと連携して包括的に支援を進めたり、社会資源などを開発したりする役割も求められます。地域を基盤として、さまざまな場所で活躍しています。(中央法規サイトより引用)

上記のように社会福祉士のことを中央法規のサイトでは説明されています。では医療相談員の仕事内容をお伝えしていきます。

※仕事内容については「あくまで」私の職場での話です。どの病院でも同じような仕事をすると考えるのではなく、このような仕事もあるんだと思いながらご覧ください。

外来対応

受診した患者の紹介先を探す

患者が当院を受診したが病状が当院では対応できない場合に医師の指示により、もっと規模が大きい病院(大学病院等)を患者に案内します。患者の病状を把握しこの症状で対応してもらえるのかを受け入れてもらえそうな病院の見当をつけて確認をとります。対応可能な病院が見つかり次第患者に案内します。病院によっては予約が必要であったり不要であったりするのでその時々によって対応を変えていきます。この場合は患者の希望する病院というよりも受け入れて診てもらえる病院を優先的に探しています。紹介目的が外来受診であれば比較的探しやすいのですが、紹介目的が緊急入院であったり緊急手術であったりすると受け入れてもらえる病院探しは難しくなります。探せない場合はどうするの?と思われそうですが、ひたすら探します。

外来受診の相談

個人の患者の他に高齢者施設からの相談もあります。特に高齢者施設からの受診相談が多いです。症状を聞き緊急的なものであれば今いる医師で対応できるのか判断し、外来の看護師とも相談します。受け入れ可能であればその旨を施設へ伝え、受診しに来てもらうようにします。事前に名前・生年月日・性別を確認しておくと来院してから受付や治療までがスムーズになるため必ず確認しています。緊急的でないものは診療科の案内や診察予約をとります。

転送対応

近隣の病院のベッドが満床のため救急で患者を受け入れて欲しいという相談もきます。外来の看護師に相談し当院で受け入れられる状況であれば受け入れの連絡を再度します。この時にも名前・生年月日・性別を聞いておきます。その他にも入院となった場合差額ベッド代がかかる部屋の案内で家族が了承してもらえるかも確認しておきます。

その他

その他にも当院やクリニック・病院間で患者の情報を共有します。情報共有方法としてはFAXを使っています。

また、福祉制度が必要そうな患者がいれば相談員が呼ばれ福祉制度に繋げるようなこともあります。

高齢患者の家族からの相談も受け今後の介護のことについてアドバイスもしていきます。

入院対応

自宅→入院→自宅

もともと自宅で生活していた人が入院をし、治療が終了後また自宅へ退院するパターンです。この典型的なパターンで私達医療相談員が介入する場合があります。それは介護保険を使う時です。①今まで介護保険を使っていなかったが退院後は介護サービスを導入していく。②介護サービスは利用していたが退院後サービス量を増やす。この2つのパターンが想定されます。①では介護保険の新規申請の案内、地域包括支援センター、ケアマネージャーの手配が必要になります。②では既に介護サービスを利用しているため担当のケアマネージャーや地域包括支援センターの職員に連絡をとり、家族と相談し介護サービスの見直しをしてもらいます。

自宅→入院→施設

もともと自宅で生活していた人が入院をし、治療は終了後したが日常生活動作が低下し自宅へ戻り生活することが難しくなってしまった方が施設へ入所するパターンです。まず、上記同様介護保険の申請が行われていなければその案内を家族にします。施設入所をする時は介護保険の申請が必須だからです。既に介護保険を利用している方は本人の日常生活動作力によって介護度の見直しが必要になります。明らかに入院前よりも日常生活動作が落ちてしまった場合は介護度の見直しが必要になります。介護度を見直し、結果が重くなることによって利用できる介護サービスの幅が広がるため介護度の見直しを勧める場合があります。既に介護サービスを利用しているは担当のケアマネージャーや地域包括支援センターの職員がついているため、介護度の見直しについてその人たちと相談してもらいます。

入所する施設を私たち相談員が探す場合もありますし、ケアマネージャーが探す場合もあります。これはケアマネージャーがどこまで動くかその人その人の力量によります。探してはいるが行動が遅かったり、施設が満員ですぐに入所できない退院先として好ましくない施設だったりということもあります。そんな時はケアマネージャーに任せるよりも自分で動いてしまった方が早いため相談員側で施設を探していきます。施設を探せたら家族へ提案し施設見学へ行き申し込みをしてもらいます。申し込み後施設職員が患者の様子を実際に見に来ます。その後受け入れが決まれば主治医からの退院の許可が出次第、施設や家族と退院日の日程調整をしていきます。

自宅/施設→入院→転院

自宅や施設で生活していた人が入院をし治療をするも医療処置の依存度が高くなってしまった場合です。自宅や施設で再度生活できないとなると、長期で治療ができる病院へ転院するという選択肢になります。

最初に入院した病院にはずっと入院できないの?と思われるかもしれません。最初に入院した病院としている私が働いている職場は一般病床といい、患者への治療を集中的に行い治療が落ち着くと退院の許可がでるような病院です。また、転院先として案内するのは医療療養病床といい、治療が落ち着いた後も医療・看護の処置が必要で長期的に入院ができる病院です。

患者の病状から主治医が転院するかどうかの判断をします。転院となった場合に私達相談員は家族と転院相談をしていきます。(家族と書いたのは患者本人との意思疎通が難しい場合が多いからです)転院相談をしていく場合、医師から説明を受けている場合もありますが相談員からも転院するという状況をまずは説明します。また、転院相談を進めていく時点で主治医に紹介状の作成を依頼し、転院先候補を探します。ベッドがなかなか空かない病院に相談しても転院する時期の目処が立たないため、そのような病院に相談することは避けます。転院時期の目安としては1~1.5ヶ月以内にしています。その範囲内で受け入れてもらえる療養病床を探していきます。探す時は電話で問い合わせます。家族へ案内する病院を2-3つ用意できたら家族へ相談し、どの病院に転院相談をするのか判断してもらいます。転院する病院が決まったら正式に転院相談を病院同士で行います。相談する時に紹介状や検査データをFAXし、情報共有します。相談が進むと相談先の病院に家族は面談をしにいきます。その後ベッドの待機になり、転院先のベッド調整がつき次第転院日を決めていきます。

最後に

上記以外に月報を作成したり等細々とした仕事もあります。また、最初にも書いた通りこの仕事内容は「あくまで」私の職場でのお話です。病院ごとによってやり方や仕事内容は変わってきます。しかし、医療相談員の仕事内容のひとつの例として読んでいただき、医療相談員はどんな仕事をしているのかイメージしていただければと思います。

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